令和3年8月21日共催;クラシエ薬品 苗穂レディスクリニック 堀本江美
「もっと元気に!「疲労倦怠に効く漢方薬」補剤の使い分け
講師 芝大門いまづクリニック 院長 今津 嘉宏 先生
コロナ禍で北海道はまん延防止等重点措置、東京は緊急事態宣言が出ており、大変残念ですが対面での講演会の開催は見送られ、ZOOMウェビナー視聴を用いて開催され40名の申込があり、会員の他に15名ほどの参加がありました。
講師の今津先生は東京都港区のクリニックからお話しいただきました。
今津先生は外科のご出身で漢方は見様見真似で使い始めたそうです。現在は「がん漢方」2012年南山堂、「寝転んで読める漢方薬」2017年メディカ出版など執筆され、NHKのeテレ等にご出演され漢方のエキスパートとしてご活躍です。
インフルエンザ等かぜ症候群で麻黄附子細辛湯は総合感冒薬よりも発熱、熱感、咳等の症状は早く改善したデータを示し、麻黄湯使用において注意点を教えてくれました。
麻黄にエフェドリンが含まれているが、発見者は日本の医師であると強調されていました。
エフェドリンは胃内pHがアルカリ性であれば吸収率上昇するために作用が強くなる事を示されました。制酸剤を服用している方は麻黄のエフェドリン吸収率が上昇するために効きやすいそうです。麻黄の副作用を覚える時はブスコパン使用時の副作用と同じと考えると覚えやすく動悸の訴えあれば麻黄は控えていると伺いました。
全身倦怠感の訴えには補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯をあげ、柴胡を含有する補中益気湯は食欲低下に、桂枝や茯苓を含有する十全大補湯は気力の衰退等に、陳皮や遠志や五味子を含有する人参養栄湯は抑うつ状態を目印に使用出来ます。
コロナ感染症において、かぜ症候群での麻黄湯や麻黄附子細辛湯の効果と同じような効果は期待できるのではないか、感染初期に使用する事が大切であり早期服用で最大の効果がある事、漢方効果についてはこれから実証されていく事でしょう。
コロナの後遺症と思われる方への漢方として、若い方で元来健康な方には柴胡の多い漢方を、若い方で病弱な方や高齢者には人参湯の処方を勧められました。
補中益気湯に升麻(しょうま)と呼ぶ成分が含有されており物を持ち上げる効果があると伺い、子宮下垂に補中益気湯が勧められる理由を初めて知り納得しました。
漢方では身体は「気、血、水」で成り立っていると考えるのですが、これを整える漢方の基本として、気は人参湯、血は四物湯、水は二陳湯と覚えると使いやすいと教えて頂きました。
今津先生のお話しには熱があり魅力ある講義でもっとお話を聞きたいと思いました。
今後希望者があれば漢方勉強会を継続し日本医師会認定講座等に申請するのもひとつかと思いました。
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