堀本江美先生が日本女医会荻野吟子賞を受賞されました。
日本の女性として初めて公に医師の資格を取得した荻野吟子の偉業を称え、その名を永久に伝えるために制定されました。同賞は、独自の活躍をもって女性の地位向上や、市井の医療に著しい貢献をした女性医師を対象としています。
受賞理由は下記の通り。
昭和63年に札幌医科大学医学部を卒業後、平成14年に苗穂レディースクリニックの院長に就任。平成9年以降は、児童虐待防止プロジェクトチーム員、日本女医会子育て支援委員、NPO法人ゆいネット北海道理事長などをつとめ、地域拠点型ワンストップセンター「性暴力被害者支援センター北海道(さくらこ)」を開設。性暴力被害者診療支援看護師養成講座開設など、性暴力被害者のための活動に力を注いでいる。
認定NPO法人ゆいネット北海道 http://yuinet-hokkaido.com/
SACRACH http://sacrach.jp/

堀本先生の受賞スピーチはこちら
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2018年度 荻野吟子賞を受賞して
本日はこのような晴れがましい場に立たせて頂くことに深く感謝いたします。荻野吟子先生の偉業を称えたこの賞を頂き大変光栄です。
2008年当時に北海道女性医師の会で会長を務める守内順子先生にお誘い頂き、日本女医会子育て支援プロジェクトに参加しました。当時は縦割りの支援しかなく子どもの問題は山積でした。そこで医療関係者だけでなく、教育、行政、警察、メディアなど様々な職種の方々に声をかけ困っている子ども達の問題に取り組みました。2年3年と続けると、それが大きなネットワークとなり、緩くしかし広い分野で長いお付き合いが構築されました。2012年には北海道と札幌市の2つの行政から委託を受け、NPO法人ゆいネット北海道を立ち上げ性暴力被害者支援センター北海道の運営を託されました。重責に押しつぶされそうな事案もありましたが守内順子先生を始め澤田香織前会長も全力で共に頑張って頂きました。女性医師の会の皆様のご助力があったからこそ出来ている事業と思います。その意味で今回の表彰は北海道女性医師の会が評価されて賞を頂いたと思っています。
性暴力被害は大変身近にあります。一例を挙げます。受診した患者さんが、先日お産した方のお母さまでした。カルテを見ると随分と若い年齢でしたので「お若いですね。」と声をかけるとその女性は「保険証の年齢は実年齢ではありません。」と答えました。保険証の年齢に間違いがあるものでしょうか。その女性は続けて「私の母は義父にレイプされ、私が生まれました。私の存在は隠されていたので小学校入学まで戸籍が無かったのです。」とさらりと告白しました。
この女性のように性暴力被害者はいつも目の前にいる、と感じています。感覚を研ぎ澄ませて声にならないSOSを感じ取っていかないとわからない難しい症例が多いです。時には疲れ果てます。しかし、女性医師の皆様を始め、地域の皆様ととともに励まし合い苦労を分かち合ってこの難問に向かっていきたいと思います。
最後に皆様のご健康とご健勝を祈りお礼の言葉とさせていただきます。本日は誠に有難うございました。
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